【書き起こし】追跡!真相ファイル 低線量被ばく 揺らぐ国際基準

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【書き起こし】追跡!真相ファイル 低線量被ばく 揺らぐ国際基準
2012年がはじまりました。
福島第一原発の事故は、政府が収束宣言をしたのを横目に、1月1日に発生した震度4の地震で4号機で使用済み燃料プールの循環冷却に使っている配管から水漏れが起きている可能性があるという事故が起きていたり、福島県や千葉県では放射性の降下物が2011年3月末時点と同じくらいの量が降ってきているなど、余談を許さない状況が続いています。


未だに放射性物質の漏洩が続いているという事は、除染してもまた線量は元に戻ってしまうかもしれないし、露地物の野菜などは表面が汚染される可能性もあるわけです。

そう言うわけで、一段と気になるのは内部被ばくとなってくるわけです。

年末に原発事故の検証番組がいくつかありましたが、その中で12月28日にNHKで放送された「追跡!真相ファイル 低線量被ばく 揺らぐ国際基準」はやっとネットの中で話題となってきたことを、テレビが取り上げた感じでした。

改めてその内容を見てみると、関東に住む身としては背筋に寒いものを感じる内容でもありました。


放送から日数も経っている事もあり、ネットの中にはこの番組に対する様々な見方が出てきています。

そういった多方面からの切り口をつまみ食いして個人毎、家族毎に対策を考えることが必要ではないでしょうか

リスクの捉え方はそれぞれの家庭毎に違うはずですからね。


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報道に見る安心安全対策



それにしても、これまで福島由来の放射能は安心安全のプロパガンダを打ってきたマスコミが、ここまで低線量の内部被ばくに踏み込んだことに違和感を感じる方は少なくないのではないでしょうか。

穿った見方をすると、「低線量の内部被ばくは危なくない」という事にしたい場合に一番効果的な方法は、まず「危ない、危ない!」と言っておいて、ひとしきりその噂が広まった頃に、「実はウソでした」という検証番組を打つ事です。

10月に世田谷の民家で見つかった高線量のビンがありましたが、あれはウソではないけれど、あれだけニュースに取り上げられてから、実はビンが原因と分かった後は、潮が引くようにニュースでは取り上げられなくなりました。その為に他の場所で高線量のホットスポットが見つかっても話題性が削がれる結果となりました。

低線量の内部被ばくに関してそのようになる事を危惧しています。


低線量被ばく、その影響は?



それでは、以下は番組の文字起こしとなります。見逃した方はビデオと一緒に内容をチェックしてみてください。

こういった見方をする人もいるという事です。



追跡!真相ファイル 低線量被ばく 揺らぐ国際基準


福島第一原発事故から9ヶ月、私は作家の室井佑月さんと共に、千葉県柏市を訪ねました。原発からおよそ200km。一部の場所で今も放射性物質が検出されています。

「住民の人たちにとって本当に驚きだろうし」
「不安だと思いますよ」


一児の母親でもある室井さんは、同じように不安を抱える人たちからの依頼を受けて各地で放射線量を図る取り組みを続けてきました。

「0・55毎時」
「年間にすると4.8ミリシーベルト」

食品に含まれる放射性物質を調べる民間の施設です。国は生涯100ミリシーベルトを上限に食品の安全基準を定めています。
しかし、人々の反応は・・・

「子供に関しては、この数値でも心配だなとは思います。」
「皆さん、今の基準を信じていらっしゃる方は、ほとんど居ないと思います。」


室井

「だからやっぱり根拠なんですよ。ただちに影響ないとか言われても、根拠がないので、よけいいっそう不安なんですよ。」


国が根拠としているのがICRP(国際放射線防護委員会)が定める基準です。100ミリシーベルト以下の低線量の被曝のリスクは極めて小さくほとんど影響がないとしています。

本当にそうなのか?

低線量被曝の実態を調べるため追跡チームは海外を取材しました。
チェルノブイリ原発事故の影響を受けた北欧スウェーデン。放射線のレベルはあまり高くなかったこの地域でもガンは増えていました。食べ物を通して被害が広がったと見られています。

「私たちは何も悪くないのになぜこんな目に遭うのでしょうか」


さらに国際基準を作ったICRPの当事者たちにも取材。低線量のリスクはどう決められたのか。
驚くべき事実があきらかになりました。

ICRP名誉委員

「低線量のリスクはどうせ分からないのだから半分に減らしたところで大した問題はない。」
「科学的な根拠はなかった。我々の判断で決めたのだ。」



揺れ動く国際基準、知られざる低線量被曝の実態と追跡がはじまる。

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これまでほとんど影響がないとされてきた低線量被ばく。それに疑問を投げかける事態が世界で起きています。スウェーデン北部、ベステルボッテン県。古くから少数民族サーメの人々が暮らしてきました。

「いま周辺でガンが増えています。放射能が原因ではないかと疑っています。」


原因と見られているのは25年前に起きたチェルノブイリ原発事故。
放射性物質を含んだ死の灰は1500キロ離れたサーメの村にまで降り注ぎました。当時の放射線レベルは年間およそ0.2ミリシーベルト。国際基準の五分の一程度の低いレベルでした。

しかし今ガンになる住民が増えています。
事故の前と比べると34%増加しました。

事故直後スウェーデン政府は食べ物に含まれる放射性物質の安全基準を設けました。人々がよく食べるトナカイの肉は1キログラムあたりの上限を300ベクレル、現在の日本の暫定規制値より厳しい値です。サーメの人々は食べる肉の量を減らし、身体への影響を抑えようとしてきました。

「いつガンになるかわからないし、子や孫への影響も心配です。」



なぜガンが増えたのか?
住民の調査を続けてきたマーティン・トンデル博士は、汚染された食べ物を体内に取り込むことでリスクが高まったのではないかと見ています。

トンデル博士は汚染地域で暮らす全ての住民110万人のデータを解析。ガンになった人の被曝量を調べると事故後10年間の積算でいずれも10ミリシーベルト以下だった事が分かりました。ICRPがほとんど影響がないとしている低線量でもガンになる人が増えていたのです。

トンデル博士

「この結果には驚きました。明らかになったリスクがICRPよりも高かったからです。リスクは外からの被ばくだけでなく内部被ばくに左右されるのです。」


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次に追跡チームが向かったのは世界一の原発大国アメリカ。
ここではより影響を受けやすい子供たちに深刻な問題が起きていました。

イリノイ州シカゴ郊外、周辺に三つの原発が集中しています。原発から排出される汚水には放射性トリチウムが含まれていますが、アメリカ政府は国際基準値以下なので影響はないとしてきました。

しかし、近くの街では子供たちがガンなどの難病で亡くなっていました。
6年前に建てられた慰霊碑、足元のレンガにはこれまでに亡くなった100人の名前が刻まれています。

「これがなくなった息子の写真です。この痛みは誰にも伝えずに抱えてきました。」


住民を代表し被害を訴えている親子がいます。シンシア・ソウヤーさんとその娘セーラさんです。
セーラさんは10年前突然脳腫瘍を患いました。治療の後遺症で18歳になった今も身長は140センチ程しかありません。

「みんな死んでしまったのに、私だけが生きていて悲しいです。」


セーラさんが脳腫瘍になったのは、この街に引越してきて4年目の事でした。

「セーラはあの井戸の水をまいて遊び食事をしていたんです。病気になってからはシカゴから水を取り寄せるようになりました。怖かったのでその水で料理をし、皿を洗い、歯を磨かせていました。」



ソウヤーさん夫妻はガンと原発の関係を証明するため、州政府からあるデータを取り寄せました。過去20年間全住民1200万人がどんな病気に罹ったか記した記録です。

小児科医の夫ジョセフさんが分析したところ、原発周辺の地域だけが脳腫瘍や白血病が30%以上増加。中でも小児がんはおよそ2倍に増えていました。

ソウヤーさん夫妻は夫妻は全住民の徹底した健康調査を求めました。しかし国は井戸水による被ばく量は年間1マイクロシーベルトと微量で健康を脅かすことはないと回答してきました。

「あまりにも多くのものがセーラから奪われてしまいました。低線量の被ばくが何をもたらすのか知ってほしいのです。」



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室井

「今のVTRはショックでしたね。基準値内だとリスクは低いって言い方をするんですけど、ガンに罹らない人もいるだろうけど、セーラさんみたいに罹ってしまう人もいるわけで、だからその、リスクは少ないという言い方は逆にしていうと、リスクを背負い込む人たちがいるっていうことなんです。それは確実にいるっていうことなんですよね。」

鎌田

「彼女の場合は具体的にはどのくらいの量の被ばくをしたという風に考えられるんですか?」

西脇

「それが彼女がどれだけ被ばくをしたのかはわかってないんですね。あの、政府や電力会社はその基準以下だったので健康被害はないとして実際の被ばく量を測っていないのです。」

室井

「こんなすごくわかりづらいですね。子供が病気になったとしたらですよ、別に損害を求めたいのではなくて、病気にかかる前の健康な状態に戻してもらいたいと思うけど、それはかかってからでは無理な話じゃないですか。」

鎌田

「これはどれだけ被ばくしたらガンで亡くなるリスクがどれだけ高くなるかということを示したグラフです。で、ICRPではこの100ミリシーベルトでは0.5%ガンになるリスクが増えると言われています。一見すると大したことないと思われるかもしれませんが、例えばこれが一万人の人が浴びた場合は50人が、100万人の人が浴びた場合は5000人が、亡くならなくてもいい人がガンになるリスクを負ってしまうと」

西脇

「我々いつも疑問なのは、じゃあこれよりも低い場合はこれが正しいかどうかも含めて、ほんとにこれでいいのかどうか測らないと・・・」

室井

「しかもあれじゃないですか。幼児とか子どもはもっとリスクがあがるんじゃないですか」

西脇

「まさにそこの所がVTRでも見て頂いたように、内部被ばくの影響とか感受性の高い子どもへの影響ということで、やはり低線量であっても影響が高いんじゃないかっていう意見がある一方で、少しずつ浴びて行く場合には細胞がその抵抗力をもつ、放射線に対して抵抗力をもつとか、そういうような理由で、あの、低いんじゃないかという意見もあって、ここでの意見というのは分かれているんですね。」

鎌田

「意見が分かれているという現状について、じゃあICRPはどういうことをやろうとしているんですか」

西脇

「実はICRP自身がこの基準を見直すべきかどうか議論を進めていることが分かってきたんです。」



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アメリカ メリーランド

10月アメリカでICRPの会議が開かれました。
ICRPはおよそ30カ国250人の科学者や政府関係者でつくるネットワークです。

会議の一部だけが音声での取材を許可されました。福島第一原発の事故を受けて、低線量被ばくのリスクを見直しを求める意見が相次ぎました。

「8歳や10歳の子どもがなぜ原発労働者と同じ基準なのか、福島の母親や子どもたちは心配している。」


「ICRPの低線量リスクがこのままでいいのか、大きな疑問が持ち上がっている」




カナダ オタワ

ICRPは低線量のリスクをどう見直そうとしているのか、カナダのオタワにある本部の直接聞くことにしました。
ICRP事務局長クリストファー・クレメント氏です。すでに作業部会を作り議論を進めていると言います。

クレメント氏

「問題は低線量のリスクをどうするかです。」


クレメント氏は私たちに驚くべき事実を語りました。
これまでICRPでは低線量の被ばくのリスクは低いと見なし、半分にとどめてきたというのです。


クレメント氏

「低線量のリスクを半分にしていることが本当に妥当なのか議論している。」


低線量のリスクを巡る議論は実は1980年代後半から始まっていました。
基準の根拠となっていた広島・長崎の被爆者データがこのころ修正されることになったのです。

それまで原爆で1000ミリシーベルトの被ばくをした人は5%ガンのリスクが高まるとされてきました。それが日米の合同調査で実際はその半分の500ミリシーベルトしか浴びていないことが分かったのです。半分の被ばく量で同じ5%ということはリスクは逆に2倍になります。

しかしICRPは低線量では半分のまま据え置き引き上げないことにしたのです。

クレメント氏

「この問題は何度も議論されてきた。」

インタビュアー

「なぜ引き上げなかった?」

クレメント氏

「私が委員になる前のことなので詳細はわからない」




なぜ低線量のリスクを引き上げなかったのか。私たちは議論に関わったICRPの元委員に取材しました。

調べてみるとある事実が分かりました。

当時の主要メンバーは17人。そのうち13人が核開発や原子力政策を担う官庁とその研究所の出身者だったのです。

その一人、チャールズ・マインホールド氏。アメリカエネルギー省で核開発の安全対策にあたっていた人物です。電話での交渉を重ねてようやく私たちの取材に応じました。

チャールズ・マインホールド氏、1970年代から90年代半ばまでICRPの基準づくりに携わってきました。
低線量被ばくのリスクを引き上げなかった背景には、原発や核開発施設への配慮があったと言います。


マインホールド氏

「原発や各施設は労働者の基準を甘くしてほしいと訴えていた。その立場はエネルギー省も同じだった。基準が厳しくなければ各施設の運転に支障が出ないか心配していたのだ。」


マインホールド氏は自らも作成に関わったという、エネルギー省の内部文書を取り出しました。1990年ICRPへの要望をまとめた報告書です。
低線量のリスクが引き上げられれば、対策に莫大なコストがかかると試算し、懸念を示していました。
マインホールド氏はアメリカの他の委員と協力し、リスクの引き上げに強く抵抗したと言います。


マインホールド氏

「アメリカの委員が低線量では逆に引き下げるべきだと主張したのだ。低線量のリスクを引き上げようとする委員に対抗する為だった。」


その後ICRPは原発などで働く労働者の為に特別な基準を作ります。
半分のまま据え置かれた低線量のリスクをさらに20%引き下げ、労働者がより多くの被ばくを許容できるようにしたのです。

マインホールド氏

「労働者に子どもや高齢者はいないので、リスクは引き下げてもよいと判断した。科学的根拠はなかったがICRPの判断で決めたのだ。」




今、アメリカでは原発や核開発施設で働いていた人たちが、相次いで現行被害を訴えています。

女性たちは核燃料の再処理施設で長年清掃の仕事をしていました。
身体に異変が起きたのは仕事を辞めてしばらく経ってからのことでした。

元労働者

「乳がんと喉頭がん、そして顔に皮膚がんを患っています。」


健康への異変はないと信じて働いてきた女性たち。今、国に補償を求める訴えを起こしています。

「私たちはモルモットでした。どんなに危険か知らされてませんでした。」



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室井

「ICRPの人が出てきましたけど、あの、根拠がないってだから半分に減らしてもいいって言ってたけど、すごい初めて聞いて驚いちゃったんですけど」

西脇

「ちょっとこちらをご覧頂きたいんですけど、これはですね、2010年のICRPの予算、まっ、どこから来ているかを示したものなんですけど、アメリカの原子力規制委員会を筆頭にこうした原子力政策を担う各国の官庁からの政府からの寄付で成り立っているんですね。で、日本もですね、原子力を推進する日本原子力研究開発機構が毎年それなりの額(45,000ドル)を寄付している。」

室井

「ICRP自体が原発推進したい人たちの側が作ったものだから、安全基準値を決めるものだからそれじゃいけないんですよね

西脇

「ICRPというと日本では科学的な情報を提供しているというイメージがあるんですけど、彼ら自身も繰り返し言ってたんですけど、彼らは政策的な判断をする集団だと、そういうどこまでが許容できて許容できないのかを政治的に判断する組織」

室井

「ということは、自分で判断してくしかないと思うんですよ。どれだけしかも安全な方にどれだけとらないようにするのか、自分で決めて行った方がいいのかなって思うんですね。」

鎌田

「低線量でも実は被害が出ているんだっていう海外のケースを今まで見てきたんですけど、今の我々と決定的に違うのが彼らはこういうのを全く知らなかったわけですよね、この基準自体も曖昧な、あるいはその基準にそってやればいいわけではないという事を彼らは知らなかった。ただ我々は少なくとも知っているわけですから、国に対してこういうことを求めたいっていうことがあるとすればどうですか」

室井

「正しく怖がるにはやっぱりある程度情報公開してくれないと知らないのが怖いと思うんです。知ったらそれを基に考えることができるとと思うから、情報を挙げてこないのが一番良くないと思います。」

西脇

「それが政府に求めたいことですね」

室井

「求めたいですねぇ」



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原発の近くでくらし、幼い頃に脳腫瘍を患った18歳のセーラさんです。

治療の後遺症で右手が麻痺し今も思うように動かす事ができません。被ばくから健康を守る為の基準があるのに、自分のような被害が後を絶たない事にやりきれない思いを感じています。

セーラさん

「科学者には私たちが単なる統計の数値ではないことを知ってほしい。私たちは生きています。空気と水をきれいにしてください。たくさんの苦しみを味わいました。誰にも同じ思いをしてほしくなりません。」


書き起こし、ここまで。





日本政府は食品のさらに厳しい安全基準を新たに示し、4月から適用する事にしています。

「自分と同じ苦しみを誰にも味わってほしくない」


セーラさんの言葉を重く受け止めて、放射能のリスクにこれから立ち向かって行かなければならないのです。

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コメント

  1. […] 【低線量被ばく】内部被ばくの影響は果たしてどの程度なのか? その中で次のような話がでてきます。 イリノイ州シカゴ郊外、周辺に三つの原発が集中しています。原発から排出され […]

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