新基準値100Bq/kgは食品なのか?低レベル放射性廃棄物なのか?

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新基準値100Bq/kgは食品なのか?低レベル放射性廃棄物なのか?どうも!Marcoです。
東京新聞の次の一節が目に止まりました。

「厳格化された国の基準は、生産者と消費者の対立を加速しかねない」

2012年4月1日から施行された食品汚染の新基準値セシウム合計100Bq/kgは、これまでの暫定基準値として設定されたセシウム合計500Bq/kgと比べれば、その5分の1という値です。

生産者の方にとって見れば「厳格化」ということになるのでしょうか。

おそらく僕が畑で作物を作り、その作物を売ったお金で子どもたちを育てている立場であれば、当然のごとく、こう言うでしょう。

「なんで国の決めたルールに従っているのに買ってくれないんだ?」

しかし放射能を気にする消費者の立場からの意見を言わせてもらうと、子どもたちの未来を考えれば考えるほど、この100Bq/kgという値でも、食べさせるのをちゅうちょしてしまう「食品として許容できない値」なんです。

このエントリーでは、なぜ新基準値が許容できない値なのか?その理由を日本国内のとある規制値と比較することで考えていきます。

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東京電力が自ら決めた規制値とは?

この100Bq/kgという数字が色々なところでひとつの目安のような扱いとなっています。例えばこんな感じで。
  • 各自治体の震災ガレキ受け入れ基準
  • 原子炉等規制法で定められた※クリアランスレベル「スソ切り」制度
  • 食品のセシウム汚染の新基準値

※クリアランスレベルとは?
放射性物質は何をしても半減期を迎えるまでは放射線を出し続ける厄介なものですが発電所の解体時廃材の処理に困るのでセシウムであれば100Bq/kg以下は再利用可能と強引に決めた値ということになります。(核種ごとに基準値が決まっています。詳細はこちらから)


これらの基準となっている値が100bq/kgなんですね。

口に入れるものと、ガレキや原発内の廃材が同じ値ということに驚いた人も多いと思いますが、事故を起こした東京電力の原発敷地内では、この規制を厳格に守っているという記事が目に止まりました。

「100ベクレル以下」でも厳重管理

朝日新聞新潟版 2012年04月20日
◇ 東京電力は19日、柏崎刈羽原発内で出た低レベル放射性廃棄物の管理方法を公開した。同原発では再利用が認められている1キロあたりの放射性セシウムが100ベクレル以下のゴミもドラム缶に入れて厳重に管理し、搬出後もコンクリートや土で外に漏れ出さないようにしている。長岡や新潟など県内5市は同100ベクレル以下の震災がれきを受け入れる考えだが、その焼却灰をどう管理するのか、より分かりやすい住民への説明が求められそうだ。

公開されたのは、柏崎刈羽原発内で放射性物質が付く可能性のある「放射線管理区域」から出た低レベル放射性廃棄物のうち、針金やスプレー缶などの燃えないゴミの処分方法。

ゴミはまず、ポリ袋に入れられて「固体廃棄物処理建屋」へ。ポリ袋から出し、手袋やマスクをした作業員がドラム缶に詰め込む。ゴミのかさを減らすため、切ったり、圧縮したりすることも。ドラム缶の中身が動いたり、漏れ出したりするのを防ぐため、砂とセメントを混ぜたモルタルを流し込んで固める。

ドラム缶はコンテナに積まれ、青森県六ケ所村の「低レベル放射性廃棄物埋設センター」へ運ばれる。

1キロあたりの放射性セシウムが1千億ベクレル以下の低レベル放射性廃棄物については原子炉等規制法で地下数メートルに埋め立てできるとされている。六ケ所村のセンターでは土を掘ってドラム缶を入れ、周囲をコンクリートで固め、放射性物質を吸着しやすい土をかぶせるという。

同法で再利用してもよいとされている同100ベクレル以下のゴミも扱いは同じ。東電の担当者は「柏崎刈羽原発では、100ベクレル以下でも原発内で汚染されたゴミはすべて低レベル放射性廃棄物として厳格に管理することになっている」と話す。

手袋や作業服など、放射性物質がわずかに付着した燃えるゴミは、洗濯をして何度か使った後、原発内で燃やしてドラム缶に保管される。処分方法は決まっていないが、東電の担当者は「燃えないゴミと同様、モルタルで固めて処分することになるのではないか」と話している。(富田洸平)

日本で一番放射性物質について詳しく、しかも扱いの経験値が高い人は誰かと言ったら、おそらく東京電力の社員はトップランクに何人も入るのではないでしょうか。
まぁ、そうでないと困るのですが…

そのエキスパート集団は、たとえ100bq/kg以下であっても、記事にあるように、これだけ厳格に扱うようです。

放射能シロウトの我々庶民は、こんなに無防備でいいんでしょうか?

しかもこの基準は外部被ばくに対しての基準のようですよ。

内部被ばくが無視されている!

現在我々が置かれた環境は、外部被ばくに加え、食品や飲み物、ガレキ焼却や巻き上げられた砂ぼこりを吸引するこのでの内部被ばくを気にしなければなりません。

子どもたちは、校庭やグラウンドでケガをした際の、経皮からの内部被ばくなんかも気を付けなければいけません。

これで未来の子どもたちの健康を守れるのか、不安になりますよね。
100bq/kgってそういう値なんです。

知事が「安全確認」発言を批判

震災がれきの受け入れを表明した5市のうち、長岡、柏崎、三条各市の市議や担当者らが宮城県女川町のがれき処理場を視察した際、「安全を確認した」との発言が相次いだことについて、泉田裕彦知事は19日の記者会見で「外部被曝(ひ・ばく)と内部被曝を理解しているのか。これで安全だと説明されると、市民がちょっとかわいそうだ」と批判した。また、5市が表明している処理方法について「懸念、リスクがあると言わざるをえない」と述べた。

3市の市議らは、18日に女川町のがれき処理場で、がれきやその周辺の空間放射線量を測っている様子などを視察。複数の参加者から「安全だと分かった」「搬出までは安全」などの声が上がっていた。

知事は、焼却すると放射性物質が濃縮されることに懸念を示し、「内部被曝や長期の低線量被曝について(体に)どういう影響を与えるのかは国際的にも合意はない」と指摘。「排水に溶けたり、環境中に出たりすることを心配しているのに、空間放射線量を測って安全です、というのは知識に問題があるのでは」とも語った。(水野梓)

低レベル放射性廃棄物と、ガレキと、子供たちが食べる食品が同じ100Bq/kgという値で語られていることが不思議でなりません。

福島第一原発事故から1年以上、原発行政にまつわる数々の報道や歴史を調べてきました。
数ある問題の中でも、取り分け内部被ばくをめぐる隠蔽の歴史と非人道的な行いは、ほんとうに許しがたい行為です。

内部被ばくに直接関係する食品汚染の問題は、調べれば調べるほど深刻と考えざるを得ないというのが今の心境です。

自国で、レベル7の原子力災害を目の当たりにしながらも、まったく調べることもせず、放射線をこれっぽっちも気にしない人は、原発事故などなかったかのごとく振る舞っています。

一方、自ら調べだした人は、どんどん国と原子力産業の欺瞞に気付き、自己防衛に走り出した。
そんな二極化が進んでいるように感じています。

いままで100Bq/kg以下の作業着などでも、厳格にドラム缶に入れてきた東電の担当者は、100Bq/kgの食品をどのように考えているのか、一度聞いてみたいですね。

「あなたの子どもに100Bq/kgの食品を食べさせますか?」と・・・

まとめ

原発事故の被害を過少に伝えたい政府の代弁者のような大手メディアですが、冒頭に書いたように「厳しい基準値で生産者が苦悩している」と言ったニュアンスの報道が多いことに違和感を感じます。

汚染は風評被害でなく実害です。

原発事故により、放射性物質が降ってきた東日本の多くの農産物の産地は、長年かけて築いてきた「ブランド」を一夜にして失うことになってしまったのです。

その原因がどこにあるのか?誰も責任をとっていないことを、もっと怒るべきです。

「政府の設定した値は安全だ

というフレーズを聞きますが、じゃあ事故前はどうだったのか?
あれだけ「日本の原子炉は安全。事故は起きない!」と吹聴して、さらにメルトダウンしたと知っていながら「放射能が漏れる事は絶対ありません」と言って、子どもや妊婦さえも助けようとしなかった。

いざ放射能が大量にもれてしまったら、

「放射能自体は身近な存在で危険ではない」

と言う。これが同じ人の口から出るセリフです。
もう誰も信じませんよ。


まとめです!
  • 100Bq/kg以下でも、東京電力では厳重に管理される
  • 311後の日本は、外部被ばくだけでなく、内部被ばくも気にしないといけない
  • しかし基準値は内部被ばくを考慮に入れていない
  • 「日本の原発は安全」と言っていた人たちが、「日本の食品は安全」と言っている
  • 日本の食品は「安全安心」のブランドイメージを完全に喪失した
  • そして誰も責任を取っていない


将来子どもたちに、健康影響が出るのか出ないのかは分かりません。
分からないからこそ、予防として、情報を集めて、周りの人にも伝えていってください。



※このエントリーは2015年5月20日に加筆・修正しました。



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