やっとこさ新基準値適用!それでもドイツ放射線防護協会の4Bqにはほど遠い

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やっとこさ新基準値適用!それでもドイツ放射線防護協会の4Bqにはほど遠い早いもので暦も4月となり、今月から食品に含まれる放射性セシウムの新基準が適用されることになりました。そもそもこれまでの基準値500Bqが高すぎた訳ですが、新しい基準値はどうなのでしょうか?

産経新聞より転載



一般食品は500Bqから100Bqへと5分の1へ、飲料水については200Bqから10Bqと20分の1へ、さらに新しく乳児用食品の基準がもうけられ、その値は50Bqとこれまでの10分の1と大きく前進したように思えます。しかしこの値でも「まだまだ安心できない」という声を挙げている人たちがたくさんいるのはなぜなのでしょうか。事故から1年以上たっているので影響ないと考えるのは早計で、セシウムだけでいえば、134の半減期が2年、137が30年たたないと半分にもならないということで、今後何十年間も気にしていかなければいけないのです。事故から25年が過ぎたチェルノブイリであってもいまだに食品の汚染が残っており、まだセシウム137の半減期を迎えてもいないのです。人間の生きる時間軸で物事を考えて、「もう大分時間がたったから大丈夫」と根拠のない安全宣言をすることは無意味なのではないでしょうか。

この基準値の話がでてくると時に、よく比較としてでてくるのがドイツの基準値です。



ドイツでは子供には4Bqという値で規制をしているそうです。改めてここで事故後にドイツ放射線防護協会の提言を引用しておきます。

日本における放射線リスク最小化のための提言

ドイツ放射線防護協会 2011年3月20日

ドイツ放射線防護強化と情報サービス放射線テレックスは、福島原発事故の発生後の日本において、放射線核種を含む食品の摂取による被ばくの危険性を最小限に抑えるため、チェルノブイリ原発事故の経験をもとに下記の考察・算定を行い、以下の提言を行なう。
  1. 放射性ヨウ素が現在多く検出されているため、日本国内に居住する者は当面、汚染の可能性のあるサラダ菜、端物野菜、薬草・山菜類の摂取は断念することが推奨される。
  2. 評価の根拠に不確実性があるため、乳児、子ども、青少年に対しては、1キログラムあたり4ベクレル(Bq)以上のセシウム137を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1キログラムあたり8ベクレル以上のセシウム137を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。
  3. 日本での飲食物の管理をよび測定結果の公開のためには、市民団体および基金は、独立した放射線測定所を設けることが有益である。ヨーロッパでは、日本におけるそのようなイニシアチブをどのように支援できるか、検討すべきであろう。

中略

長期間残存する放射性核種


 長期間に特に注意を要するのは、セシウム134(半減期2.06年)、セシウム137(半減期30.2年)、ストロンチウム90(半減期28.9年)、プルトニウム239(半減期2万4400年)といった、長期間残存する放射性物質である。
通常、2年間の燃焼期間の後、長期間残存する放射性物質の燃料棒内の割合は、セシウム137:セシウム134:ストロンチウム90:プルトニウム239=100:25:75:0.5である。
 しかしチェルノブイリの放射性降下物では、セシウム137の割合がセシウム134の2倍にのぼるのが特徴的であった。これまでに公表された日本の測定結果によれば、放射性降下物のセシウム137とセシウム134の割合は、現在ほぼ同程度である。ストロンチウム90およびプルトニウム239の含有量はまだ不明であり、十分な測定結果はそれほど早く入手できないと思われる。福島第一原発の混合酸化物(MOX)燃料は、より多くのプルトニウムを含んでいるが、おそらくそのすべてが放出されるわけではないだろう。ストロンチウムは、過去の原発事故においては、放射性降下物とともに比較的早く地表に達し、そのため事故のおきた施設から離れるにつれて、たいていの場合濃度が低下した。したがって、今回の日本のケースに関する以下の計算では、
セシウム137:セシウム134:ストロンチウム90:プルトニウム239の割合は
100:100:50:0.5
としている。

 したがって、2001年版ドイツ放射線防護令の付属文書Ⅶ表1にもとづく平均的な摂取比率として、1キログラムにつき同量それぞれ100ベクレルのセシウム137とセシウム134、およびそれぞれ50ベクレルのストロンチウム90と0.5ベクレルのプルトニウム239に汚染された飲食物を摂取した場合、以下のような年間実行線量となる。

乳児(1歳未満):実行線量年間6ミリシーベルト
幼児(1〜2歳未満):実行線量年間2.8ミリシーベルト
子ども(2〜7歳未満):実行線量年間2.6ミリシーベルト
子ども(7〜12歳未満):実行線量年間3.6ミリシーベルト
青少年(12〜17歳未満):実行線量年間5.3ミリシーベルト
成人(17歳以上):実行線量年間3.9ミリシーベルト


 現行のドイツ放射線防護令第47条によれば、原子力発電所の通常稼働時の空気あるいは水の排出による住民一人あたり被ばく線量の限界値は年間0.3ミリシーベルトである。この限界値は、1キログラムあたり100ベクレルのセシウム137を含む固形食品および飲料を摂取するだけですでに超過するため、年間0.3ミリシーベルトの限界値以内にするためにには、次の量まで減らさなければならない。

乳児(1歳未満):1キログラムあたりセシウム137  5.0ベクレル
幼児(1〜2歳未満):1キログラムあたりセシウム137  10.7ベクレル
子ども(2〜7歳未満):1キログラムあたりセシウム137  11.5ベクレル
子ども(7〜12歳未満):1キログラムあたりセシウム137  8.3ベクレル
青少年(12〜17歳未満):1キログラムあたりセシウム137  5.7ベクレル
成人(17歳以上):1キログラムあたりセシウム137  7.7ベクレル


 評価の根拠に不確実性があるため、乳児、子ども、青少年に対しては、1キログラムあたり4ベクレル以上の基準核種セシウム137を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1キログラムあたり8ベクレル以上の基準核種セシウム137を含む飲食物を摂取しないことが推奨される。
 国際放射線防護委員会(ICRP)は、そのような被ばくを年間0.3ミリシーベルト受けた場合、後年、10万人につき1〜2人が毎年がんで死亡すると算出している。しかし、広島と長崎のデータを独自に解析した結果によれば、その10倍以上、すなわち0.3ミリシーベルトの被ばくを受けた10万人のうち、およそ15人が毎年がんで死亡する可能性がある。被ばくの程度が高いほど、それに応じてがんによる死亡率は高くなる。

【付記】チェルノブイリ原発事故後の経験に基づいてなされた本提言の厳しい内容と比べると、日本政府によって出されてきているさまざまな指針・見解は、以下に放射線リスクを過小評価したものかが際立ちます。本提言は、(2011年)3月20日の時点で出されたものであり、また、日本での地域的な違いが考慮されていないなどの制約があると思いますが、内部被曝を含めた放射線リスクの見直しの一助となることを心より願います。なお、傍点部分(下線)は、原文の意図を表現するため、ドイツ側関係者の了承のもと訳者が追加したものです。心よりお礼申し上げます。ただし、翻訳の最終責任は松井英介と嘉指信雄にあります。

ここまで。松井英介著 「見えない恐怖 放射線内部被曝」より引用



この新基準値の適用にさいし、今一度現在の日本の食品の汚染状況およびこれまでの食生活を見つめ直す、いいタイミングではないでしょうか。



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