ちょっと判決文を読んでみよう!|大飯原発差止訴訟で問われた「国富」とは?

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ちょっと判決文を読んでみよう!|大飯原発差止訴訟で問われた「国富」とは?medium_6341420446
どうも!Marcoです。

何かと忙しい5月。
全然ブログの更新ができない状態ですが、世の中では久しぶりに原発や被ばくに関する話題が色々ありました。

「美味しんぼ」騒動は改めて原発事故は現在進行形だという事を世間に問いかけた出来事でした。

僕自身は、事故後に自分の周辺で鼻血が優位に増えているということは感じていませんでしたが、Twitterをはじめとするネットの中や、当時各地にできた「子どもを守る会」などのお母さんたちからは、鼻血に関する話を何度となく聞いた記憶があります。

それが被ばくによるものなのか、ストレスなどによるものなのか、実態は「分からない」ということです。

それにしても、政府や行政が矢継ぎ早に健康被害を否定するコメントを連発する様は、ちょっと異常に映りましたが、一方その伝わり方次第では、風評被害という経済影響に直結してしまうため、非常に扱いづらい問題となっています。

まずは子ども達の健康を守ることが優先されなければいけないと思うのですが、簡単にそうはならないのが日本という国の現実です。

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被ばくの影響の考え方


今から2年ほど前、僕は除染や給食食材の測定のため、学校や行政と交渉を行っていました。
その時作成した資料の1枚に次のようなページがあります。
スクリーンショット 2014-05-26 18.36.25
放射線による健康影響には様々な見方がある。だからまだ影響の分からないうちは、一番安全な説で考えたい。という親の気持ちを表現しました。

幸いに僕が交渉した人たちは理解を示してくれました。

でも、あれから2年という月日が流れて、原発事故も過去のことと考えている多くの人や、原発事故をなかったこととしたい人たちは、低線量の被ばくの影響は、これまでも、これからも、おきる訳がないという論調を崩すことはありません。


かみ合うわけない議論



日本政府は原子力発電をベースロード電源と位置づけて、安全の確認できた原発から再起動することを高らかに宣言しました。

一方で、関西電力 大飯原発3、4号機の差し止め請求において、驚くような判決がくだされました。

大飯原発 運転認めず 各地の再稼働 影響も

関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)は地震対策が不十分だなどとして、福井県の住民らが運転差し止めを求めた訴訟で、福井地裁は二十一日、定期点検中の二基の再稼働を認めない判決を言い渡した。樋口英明裁判長は「(住民が)生命を守り生活を維持する人格権の根幹を具体的に侵害する恐れがある」とした。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転差し止めを認める判決は初めて。原発の再稼働に向けた全国の自治体などの動きにも影響を与えそうだ。関電は控訴する。
 菅義偉(すがよしひで)官房長官は同日の会見で、規制基準に適合すると判断された原発の再稼働を進める政府方針に変化はないとの認識を示した。

2014年5月22日 東京新聞 より引用


多くのサイトで取り上げていることから詳細は割愛しますが、この判決文にはビックリしました。
福島原発から出た放射性物質は「無主物」と言った裁判がありましたが、あの時から司法すら国策には無力なんだと勝手に思っていましたが、地裁レベルまでは毒されていなかったということなのでしょうか。

僕自身も判決文の全文を数回読みましたが、特に印象に残った部分を引用します。

こちらのサイトで全文を読むことができます。
【速報】大飯原発運転差止請求事件判決要旨全文を掲載します

9 被告のその余の主張について

 他方、被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

 また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。

大飯原発3、4号機運転差止請求事件判決要旨 より引用

※アンダーライン、マーカーは当サイトで加工


原発再稼働を議論する時、必ず出てくるのが経済影響の話。
もちろんそれがダメになれば「直ちにヤバい!」状況ともなりかねないので、多くの人が「妥協」のための言い訳を考え始めてしまうのですが、この判決文は違いました。

また「国富」とは何か?と言うことを改めて考えてしまいます。

これも多くの人が散々口にしてきている事なのですが、改めて活字として

「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していること」



こう、ズバっと言われると、根源的な問題として、もっと皆んなが真剣に考えないといけない問題だと思えてきませんか?

片や経済の心配をして、片や健康の心配をする。
これでは議論がかみ合うわけありませんね。


これら最近の諸々を受けて、前出のスライドを書き直しました。


スクリーンショット 2014-05-26 19.22.10
まだこの判決文を読んでいない方は、ぜひ一度目を通してみてください。



そして、多くの賛同する人と、異を唱える人がいる事も調べてみてください。


何をしてきた人、何を言ってきた人が、どんなことを言っているのかを。


photo credit: Corelinn via photopin cc

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