レッテル張りに気をつけろ!

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レッテル張りに気をつけろ!

前略

ジャーナリストが不安をかき立てるという主張は、保健省のトップ、他の政府役人、そしてIAEAなど原子力産業関係者から、何度も言われ、それは今でも続いている。

同じジャーナリズムでも、官製のメディアは、政府や当局と同じ立場をとった。たとえば「プラウダ」紙の科学記者グーバレフは、原発事故の警告では知られた人だが、その影響については楽観的である。彼は89年に会った時、次のように言った。

「重要なのは心理的な問題の方なのです。実際には放射線を浴びていないのに、恐怖心から病気になるのです。心理的な問題は重要です。事故の直後に一緒にチェルノブイリに行った友人は、手袋をしないでヘリコプターに触ったのですが、数日後、彼の手に何か赤いものができました。

彼はそれを今でも放射能のためにできた症状だと信じています。その人は実際には放射能を浴びてはいませんでしたが」

つまりグーバレフは知識のない人間は、放射能恐怖症で、何でも放射能のせいにするのだと述べ、コリンコ記者も、病気をすべて放射能のせいにしているというのである。私はグーバレフの友人の話を聞いた時に、その手の症状が放射能のせいである可能性を、なぜこのように確信をもって否定できるのか不思議だった。

私はこのグーバレフだけでなく、少し核や物理学を学んだ人ほど自分の知識に自身をもち、そこで学ばなかったことをすべて嘘だと断じる傾向にあることに気づいた。

放射能というものは、これまでの人類の歴史のなかで蓄積された知識だけでは、到底判断できないような、多様な現れかたや症状をもたらす。放射能については、まだ人類は何も知っていないと考えた方がいいくらいだ。これはこの分野の専門家に多く会った上での私の感想だ。しかしグーバレフや放射線医学センターの学者たちは、そうしたことを余り信じたがらない。

心理療法士の肩書きを持つアレキサンドラ・モロゾフ医師は「放射線による人体影響、汚染状態を実際以上に触れ回る議員や新聞、テレビのせいで問題が深刻になる」と述べている。

確かに事故当初、誇大な事故報道が流れなかったわけではない。例ば次のような件である。

「4月29日・・・・・UPI通信は、キエフの「病院および救急関係者の近い筋」が電話主催に応じて語ったところによれば、事故直後に80人が死亡し、病院に収容される途上で2000人ほどが死んだ」と報じた。この数字は、米国の主要新聞紙上に掲載され、ダン・ラザーの「CBSニュース」でも報道された。それからまもなくUPI通信は、キエフ在住の外国人たちが自国の大使館に電話してきたことろでは、死者は3000人に達したと報じた。このうわさは4月30日にはみんなが信じるようになった。

これらはすべて報道を禁止している状態の中で伝わったことだ。報道規制をしたために様々な憶測を生んだのだということも重視しなければならない。



広河隆一著 「チェルノブイリの真実」より

Mr.100ミリシーベルト、Mr.大丈夫などたくさんのレッテルを持っている福島県放射線健康リスク管理アドバイザー山下俊一教授。100mSvまで大丈夫と言いながら、こっそり10mSvの間違いでしたとHPのみ訂正。このような行為は決して許されるものではない。



ジャーナリズムの対応という意味では、チェルノブイリと福島では逆方向の力が働いたのではないかと思うほど対極的な違いが見られました。片やチェルノブイリでは、報道規制の影響で、悪い噂が先行して様々な憶測を生むこととなりました。片や福島では、専門家の先生が連日テレビに登場し、日本の原発は壊れない、チェルノブイリとは違う、炉心溶融などありえない。とフリップやビデオ映像を駆使して説明し続けました。

しかし、今だから分かる事ではありますが、結局は誰も真実は分からなかったのです。それは現時点でも同じです。溶けた核燃料がどういう状態なのか、長期間低線量被曝の影響がどうなるのか、誰もわからないのです。そんな状況だったのに(希望的)安全情報を垂れ流し続けたのです。そして我々市民は、これらの専門家に「御用学者」テレビや新聞には「マスゴミ」というレッテルを貼ったのです。

このような違いはありましたが、両方の事故に共通している事は、いずれもマスコミの力はとてつもなく大きいということです。テレビで東大の教授がもっともらしく説明すれば信じてしまうのが今の日本人なのです。騙すのも、洗脳するのも簡単。事故の処理がいっこうに進んでいないのに、ゴールデンタイムの放送を元に戻しただけで、首都圏の生活は平常に戻ってしまったのです。今更放射能で騒いでいるほうが世間からは肩身のせまい思いをするという奇妙な空気が流れているのです。

そんな「御用学者」「マスゴミ」は、我々を「放射能恐怖症」などとレッテルをはることで事故を矮小化させ被害者を被害者と認めないという状況を作り出すかもしれません。また、子どもの健康を心配する親は、出来る限り被曝しないよう学校生活の改善を学校側に申し入れたいのですが、現在の日本には「モンスターペアレンツ」などという便利なレッテルがあり、なかなか主張しづらい雰囲気があることも見逃してはいけません。こうしたレッテルを貼っていくことで差別が深まり、被害が拡大していく恐れがあります。

いずれにしろ、事故はまだ現在進行形です。放射能の影響は生活のすみずみまで、徐々に徐々に浸透していくのです。こういったレッテルを張り、真実から遠ざけるような姑息なことはせずに、事実を見つめ、今何をすべきか、何を伝えるべきかを真摯に考え、取り組む姿勢が大事です。マスコミ各社は初心に立ち返り、リターンを得ることだけに躍起にならず、事実を脚色することなく伝えることに注力してもらいたいものです。そうすれば本物の視聴者を獲得することにもつながるのではないでしょうか。今こそ真のジャーナリズムに目覚めて欲しいと切に願います。

福島県アドバイザー山下俊一氏の解任を求める記者会見 2011.6.21
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